状況が大きく変化したACミラン

チームの復活

イタリアの名門であるACミランは、日本にも多くのサポーターを有する国際的なビッグクラブです。
海外サッカーと聞いた時に、このクラブの名前を思い浮かべる人も多いはずですが、近年はやや低迷期になっています。

1990年代から2000年台前半にかけて、このクラブはチャンピオンリーグを何度も制するなどの絶頂期にありましたが、その背景にあったのは、イタリア首相も努めたことのあるベルルスコーニ氏がオーナーを務めていたことです。彼の豊富な資金力によって、世界中からトップクラスの選手を集めることによって強力なチームを作り上げていたわけですが、その資金が失われるに連れて次第に競争力を落として行くこととなりました。

もっとも、オーナーが変わった近年においては、かつてクラブで一時代を築いたマルディーニやレオナルドといったレジェンドを経営陣に迎えて再建を図っています。
かつてのように完成されたトップレベルの選手をかき集める代わりに、才能豊かな若手プレイヤーを育てる方向に舵を切っており、ドンナルンマやスソと言った選手が大きな成長を見せるなど、徐々にその効果が出つつあります。かつての強かった時代にも、前出のマルディーニの他に、コスタクルタやバレージなどの生え抜きの選手が大きな役割を果たしていたことから考えると、現在の方針が維持されれば、再びミランが海外サッカーシーンの中心に返り咲く日もそう遠くないかもしれません。

ミランの復権は、近年低迷するイタリアサッカーの浮上にもつながることでしょう。