選手の売買が上手 ドイツ・ブンデスリーガ 準強豪クラブ・ドルトムント

ドイツ・ブンデスリーガというリーグは、昔から首都のミュンヘンを本拠地とするバイエルン・ミュンヘンというクラブがリーグ内で圧倒的な存在感を示し続けています。そして、その下にドルトムント・シャルケ04・レバークーゼンといった準強豪(準ビッグクラブ)ランクのクラブがいくつか存在するような構図となっています。そして、絶対的なビッグクラブであるバイエルン・ミュンヘンにある程度対抗できる準ビッグクラブは各年代によって入れ替わってきましたが、優れた経営術で安定して準強豪のポジションを守り続けているのがボルシア・ドルトムントです。

このクラブが本拠地を置くドルトムントという都市は人口約60万人ほどで人口1200万人を超える首都・ミュンヘンと比べると1/20の規模しかなく集客力が高いとは言えません。しかし、クラブ内の優れたスカウト陣が世界各国のリーグを常時チェックして安く買えるダイヤの原石を発掘し、このクラブで育てて国内外のビッグクラブに選手を売却して高額な移籍金を獲得する手法により安定して一定のクラブ規模をキープしています。なお近年における主な移籍金獲得を挙げると、2010年春に日本のセレッソ大阪から伸び盛りだった香川真司を安く買ってクラブの中心選手へと育て上げ、マンチェスター・ユナイテッドに売却した際に1600万ユーロ(当時のレートで約21億円)の移籍金を獲得しました。

また、最近でいうと2013年にフランスの中堅クラブから安く買ったガボン代表FWのオーバメヤンを2018年1月にイングランド強豪のアーセナルに売却して日本円にして80億円以上の移籍金を手にしています。その他、列挙できないほどたくさんの選手を安く買って高く売却することに成功しており、この経営術を確立しているドルトムントというクラブは今後も安定したクラブ規模を誇り続けていくことは間違いないであろうと言われています。